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数学者から投資家になったジム・シモンズ氏の名言と英訳を紹介【22選】

元数学者にて凄腕の投資家、そして世界的に有名な投資会社「ルネサンス・テクノロジー」の創業者であるジム・シモンズ氏。

86才という年齢から考えると、先進国における男性の平均寿命ということで、まずまず天寿を全うされたのかと思います。

私が注目したのが、シモンズ氏が「数学者・科学者の観点で投資を行うこと」。

雇い入れる人材もそれに即していたと言われ、その手法により「1988年から2023年まで、多額の手数料を差し引いても年平均40%近い驚異的なリターンをたたき出した」と言われています(ブルームバークの元記事より)

「一体、数学者がどうやって投資の道に入ったのだろう?」「投資手法は他の投資家とどう違うのだろう?」「どんな哲学や信条を持っていたのだろう?」などの疑問が怒涛の如く湧いてきてしまい、今回の内容を取り上げることにしました。

最初に氏の経歴と功績を紹介した後、生前の発言の中でとくに気に入ったものを紹介していきたいと思います。

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ジム・シモンズ氏の経歴と功績

1938年4月25日にアメリカのマサチューセッツ州ニュートン生まれ。

早くから数学の才能を示し、17歳でウェスティングハウス・タレント・サーチ奨学金を受賞しています。

その才能を活かし、マサチューセッツ工科大学(MIT)に入学。

そこで数学を学び、1958年に学士号を取得します。

その後はカリフォルニア大学バークレー校で1961年に数学の博士号を取得し、幾何学と確率論に特化しました。

数学者としてスタートし、MITやハーバード大学で数学を教えることに。

1968年から1976年までストーニーブルック大学の数学科の教授を務めています(後にストーニーブルック大学のシモンズセンター・フォー・ジオメトリー・アンド・フィジックスを設立)

数学の分野で重要な貢献をし、微分幾何学、トポロジー、代数幾何学の分野での研究で功績を残しています。

1978年に学術の世界から引退し、ヘッジファンド「Monemetrics」を設立。

Monemetrics

1982年にはニューヨーク州イースト・セタウケットに本拠を置くプライベート投資会社である「Renaissance Technologies」を設立します。

Runaissance Technolories

シモンズのリーダーシップのもと、Renaissance Technologiesは驚異的なリターンを達成し、特に手数料を除いた年率30%以上のメディリオン・ファンドが目覚ましい成績を収めました。

Renaissance Technologiesの成功は、金融市場の非効率性を特定し利用するために数学的モデルとアルゴリズムを先駆的に活用したことに大きく貢献しています。

投資家・経営者として成功するだけでなく「科学、教育、医療」の分野への支援も実施。

1994年にはSimons Foundationを設立し、数学、理論物理学、生命科学の研究を支援しています。

SIMONS FOUNDATION

またSimons Foundation Autism Research Initiative(SFARI)は、自閉症スペクトラム障害の理解と治療の改善を目指す最大の私的資金提供者の1つにもなっています。

Simons Foundation Autism Reserch Initiative

シモンズ氏と彼の妻マリリンは、教育や医療などさまざまな分野に対する莫大な寄付を約束しています。

歴史上最も成功した投資家の1人として広く認識され、その純資産は数十億ドルに達すると推定されています。

名言と英語訳を紹介

数学者・投資家・経営者・社会貢献家として多くの功績を成し遂げてきたジム・シモンズ氏。

そんな氏の生き様や思想を表した言葉を以下で紹介していきます。

日本語で紹介した後に英訳を載せますので、語学学習の一環としても利用してみてください。

1

私は世界最速の男ではなかった。オリンピックや数学コンテストでもうまくいかなかっただろう。でも、考えるのは好きなんだ。そして、物事を熟考すること、ただそれについて考え、それについて考えることは、かなり良いアプローチであることがわかった。

I wasn’t the fastest guy in the world. I wouldn’t have done well in an Olympiad or a math contest. But I like to ponder. And pondering things, just sort of thinking about it and thinking about it, turns out to be a pretty good approach.

2

過去の実績は成功の最良の予測である。

Past performance is the best predictor of success.

3

運は誰の人生においても重要な役割を果たしている。

Luck plays a meaningful role in everyone’s lives.

4

金の卵を産むガチョウは永遠に存在しない。

There's no such thing as the goose that lays the golden egg forever.

6

このビジネスでは、運と頭脳を混同しがちだ。

In this business it's easy to confuse luck with brains.

7

ビジネススクール出身者は採用しない。ウォール街出身者も採用しない。我々が雇うのは、優れた科学を学んだ人達だ。

We don't hire people from business schools. We don't hire people from Wall Street. We hire people who have done good science.

8

私が天才だと言われるようになったのは、運が大きく影響している。私は朝、オフィスに入って『今日の私は頭がいいだろうか』と言うのではなく、『今日の私は運がいいだろうか』と考える。

Luck, is largely responsible for my reputation for genius. I don’t walk into the office in the morning and say, ‘Am I smart today?’ I walk in and wonder, ‘Am I lucky today?’

9

解雇されることに対して、とても無力感を感じた。だから『会長ならクビにはできない』と思ったんだ。

I felt so powerless about being fired. I thought, ‘They can't fire you if you're chairman.’

10

私は大きな丸い数字が好きだ。新聞では1000億ドルの男と呼ばれている。

I like big round numbers. The papers call me the $100 billion guy.

11

我々は教育機関ではない。研究機関なのだ。私たちが投資する市場の数学的モデルを作るために人を雇っている。

We are not a teaching organization. We are a research organization. We hire people to make mathematical models of the markets in which we invest.

12

ビジネスを経営しながら、別の情熱に没頭するのは難しい。

It’s difficult to run a business and be so consumed with another passion.

13

何事もある程度は妥協の産物だ。すべてが完璧であるはずがない。

Everything is to some extent a compromise. Not everything can be perfect.

14

自分の作品が誰かに取り上げられ、受け継がれていくのを見るのはいつだって嬉しいものだ。

It’s always nice to see your work picked up by someone else and carried on.

15

雇用主である私にとっては、アメリカ人やアメリカで訓練され生まれた人たちを会社に雇い入れることは、それが目的であったとしても、ますます難しくなっている。私たちは数学や物理の研究者をそれなりの人数雇っているが、そのほとんどがアメリカ人ではない。

As an employer, it’s more and more difficult for me, if that were my objective, to hire Americans or American-trained-and-born people into the company. We hire research guys in math and physics in reasonable numbers, and almost all of them are non-U.S.

16

我々は数式によって売買が決定されるファンドを運用している。流動性の高い公募証券のみを対象としているため、クレジット・デフォルト・スワップや債務担保証券の取引は行わない。

We manage funds who’s trading is determined by mathematical formulas. We operate only in highly liquid publicly traded securities meaning we don’t trade in credit default swaps or collateralised debt obligations.

17

私たちのトレーディング・モデルは実際には逆張りの傾向があり、直近で人気のない銘柄を買い、直近で人気のある銘柄を売ることが多い。

Our trading models actually tend to be contrarian often buying stocks recently out of favour and selling those recently in favour.

18

私は昔から数学が好きだった。小さい頃は、数字や図形、さらには論理について考えたものだ。考えることが好きな子供だったんだ。

I always liked maths. When I was a little boy, I would think about numbers and shapes and even logic. And I was a kid who just liked thinking.

19

システムトレードがベストだと判断した。ファンダメンタルズ取引では潰瘍ができた。

We decided that systematic trading was best. Fundamental trading gave me ulcers.

20

自分のボスになるというアイデアが好きだった。

I liked the idea of being my own boss.

21

私は熟考するのが好きなんだ。

I like to ponder.

22

投資と音声認識はよく似ている。どちらも、次に起こることを推測しようとしている。

Investing and speech recognition are very similar. In both, you’re trying to guess the next thing that happens.

まとめ

シモンズ氏の量的投資へのアプローチは、金融業界に大きな影響を与え、数学者やコンピュータサイエンティストの新世代が自分のスキルを金融市場に応用するきっかけとなったと言われています。

その一方で「運」という、数学的手法だけでは片づけられないものにも深い関心を示したことが、今回取り上げた氏の言葉から見ることができます。

論理の果てにあるのが「運」だとすれば、数学を極めつくした者だからこそ到達しえた「超論理の世界」。

数々の失敗や成功を経て、論理をブレイクスルーした世界観に行き着いたのかもしれません。

シモンズ氏のご冥福をお祈りするとともに、今回の記事が皆様の投資の学びや英語学習に少しでも役立てたら嬉しく思います。

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